式:価格を実際に使う回数で割る
使用単価は、同じ役目をするのに価格が違う二つの物を比べる最も単純な方法です。「どちらが安いか」ではなく「使うたびにどちらが安いか」を問います。計算は割り算一回で、本当に役立つのはその式を裏返して損益分岐回数にすることです。
- 使用単価 = 価格 ÷ 想定使用回数。価格120のジャケットを60回着れば1回あたり2、同じジャケットを6回しか着なければ1回あたり20です。
- 1日あたり費用は分母を時間にした同じ式です。価格 ÷ 所有して使う見込みの日数。マットレスや携帯電話のように使い続ける物に向きます。
- 損益分岐回数 = 価格差 ÷ 1回あたりの節約額。高い方が使うたびに決まった額を浮かせてくれるなら(もう買わないカフェのコーヒー、もう払わないレンタル料)、上乗せした価格を何回で回収できるかが分かります。
- 耐久性で見る損益分岐:安い方がすり切れて買い直しになるなら、それぞれ価格 ÷ 寿命(回数)を比べます。高い方の寿命が価格比より長ければ高い方の勝ちです。
数字で見る三つの例
通貨は関係なく、比率が大事です。三つの例はどれも自分の価格で計算し直せるよう切りのいい数字にしました。式は正確ですが「想定使用回数」という入力は推測です。使用単価での失敗の多くは楽観的すぎる推測なので、以下の例はわざと控えめな数字を使っています。
- 靴、200対60、2年間で。価格60の靴は普通に履いて8か月ほど、価格200の靴は2年もつとします。2年間で安い靴を三足(180)買うか、良い靴を一足(200)買うか。週3回履けば2年で約300回:安い方は1回0.60、良い方は0.67でほぼ互角です。良い靴が2年以上もつか、靴を三度選び直す手間を惜しむなら良い方の勝ちです。逆に週1回(約100回)しか履かないなら、良い靴は1回2.00、安い靴一足はまだ生きていて0.60。安い方を買ってください。
- エスプレッソマシン対カフェのコーヒー。価格600のマシンに1杯あたり豆と牛乳0.40、カフェのコーヒーは1杯4.00。1回あたりの節約額 = 4.00 − 0.40 = 3.60。損益分岐回数 = 600 ÷ 3.60 ≈ 167杯。平日毎日1杯なら約8か月、週2杯なら1年半です。座って過ごす時間のためにカフェへ通い続けるなら、節約は実際に置き換えた杯数分だけに縮みます。
- ジム会員対都度払い。月50の会員権対1回12:損益分岐 = 50 ÷ 12 ≈ 月4.2回。月5回以上通うなら会員権が安く、4回以下なら都度払いの勝ちで、解約手続きなしにやめる自由も残ります。通うつもりだった回数ではなく、先月実際に通った回数を数えてください。
式が誤解を招く五つの場面
使用単価は一つの買い物を一つの数字に押し込みます。その数字の裏に五つのことが隠れています。
- 売却価値。最後に売れる金額は価格から引きます。価格1,000のカメラを200回持ち出したあと500で売れれば、1回あたり5.00ではなく2.50です。安い物はたいていほとんど売れないので、売却価値を無視すると安い方が実際より良く見えます。
- 維持費と消耗品。豆、フィルター、洗浄剤、交換パッド、機械が使う電気はどれも式に入れるべき1回あたりの費用で、安い物には要らない年一回の点検費も同じです。比べる前に1回あたりの数字に足してください。
- 過大に見積もった使用量。何回使うかは、あなたが最も制御できない数字です。「毎日使うつもり」で運動器具を買って12回で終わった人の使用単価は、計算した値の百倍です。来年の決意ではなく去年の行動を予測値にしてください。
- 品質が結果を変える物。良い道具が良い結果を生むなら(本当に切れる包丁、毎晩寝るマットレス)、使用単価はその価値を取りこぼします。二つの選択肢が1回ごとに与えるものが同じではないからです。逆も成り立ちます。下手に使う物の上位版は、同じ結果を高く買うことです。
- 更新される定額サービス。定額の価格は一度払った額ではなく払い続ける額なので、使用単価は月額 ÷ その月の使用回数を毎月計算し直します。1月に2回しか使わなかった会員権は、12月がどうであれその月は1回25です。
実際に使える判断の目安
正確な損益分岐回数は大きな買い物ごとに一度計算する価値があります。日常の判断なら、いくつかの目安でほとんど足ります。
- 月に8〜10回以上使うなら良い方を買ってください。その頻度ならたいていの耐久品は1年以内に消耗品やレンタルの代替に勝ち、快適さや結果の差を毎週体で感じます。
- 年10回未満なら借りるか都度払いにしてください。年に数回しか使わないドリル、スーツ、スキー用具、カーペット洗浄機が元を取ることはまれで、占める場所も費用です。
- その間なら損益分岐を計算したうえで想定使用回数を半分にしてみてください。半分でも買う方が勝つなら買ってください。楽観的な見積もりでしか勝たないなら、たいてい勝てません。
- 定額サービスは毎月の判断として扱ってください。先月の使用回数 × 都度払いの価格が月額を下回ったなら解約し、上回るまで都度払いにしてください。
- 習慣が続くか自信がなければ安い方を選んでください。使用単価は、良い買い物への報いよりも放置された買い物への罰の方がずっと大きいのです。
計算機で計算する
このサイトの使用単価計算機は割り算を代わりに行い、一覧を残すので、複数の候補を並べて比べたり、すでに持っている物を棚卸ししたりできます。
- 品名、購入価格、購入日を入力します。
- 想定使用期間を日・月・年で決めます。1日あたり = 価格 ÷ その期間。期間が空だと購入日からの日数で割るので、今日買った物は入力するまで価格そのものに近く見えます。
- 使用回数(任意)を入れると使用単価 = 価格 ÷ 回数が出ます。
- 損益分岐の比較をするなら、両方の候補を同じ想定回数で別々の行に追加し、差を読みます。
- 使用回数はときどき更新してください。1年後の正直な数字こそが本当に大事な数字です。
入力した項目が残る場所
追加した項目はアカウントなしで、他の場所に複製されず、このブラウザのこの端末の中だけに残ります。PWAとしてホーム画面に追加すればオフラインでも一覧を見られます。共用パソコンなら使い終わりにサイトデータを消してください。
使用単価とコストパーウェアは同じですか?
はい。コストパーウェアは同じ割り算を服に当てはめた呼び方です。服は衝動買いされてめったに着られないことが多いので、衣類の記事でこの語が使われます。損益分岐の考え方も同じで、高いコートが安いコートに勝つには価格比のぶんだけ多く着る必要があります。
売却価値も計算に入れるべきですか?
実際に売るつもりなら入れてください。割る前に価格から想定売却額を引きます。ただし控えめに、新品価格から少し引いた額ではなく、似た中古品が今実際に売れている価格を使ってください。売るつもりがない、あるいは面倒で売らなさそうなら、0のままにするのが正直です。
想定使用回数は何回にすべきですか?
計画ではなく、似た物で去年1年間に実際に使った回数を数えてください。記録がなければ、妥当に思える数の半分にして、3か月後に実際の数字で計算し直してください。半分でも買う方が勝つなら、その判断は安全です。
